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スマホ・ゲーム依存について ②

  • hirano34
  • 2025年10月27日
  • 読了時間: 6分

更新日:2月27日

はじめに


スマホ・ゲーム依存について講演したものを、読みものにしています。

①からの続きです。


講演で話した内容を一部抜粋・修正しています。

参考にした文献などはなるべく記載していますが、全てできているわけではありません。


今回は、スマホ・ゲーム依存の問題点と家庭でとりくめることをお伝えします。



依存についての医学的なポイント


依存の種類、脳のはたらきのバランス
依存の種類、脳のはたらきのバランス

参考文献: 樋口 進  心が壊れる「ゲーム依存」からどう立ち直るのか 


依存とは、2つに大きく分けられます。

物質(タバコやアルコール)への依存 と 行動(ギャンブルやゲーム)への依存です。

行動への依存は、正確には行動嗜癖と表現しますが、ややこしいので依存で統一します。

SNSによるインターネット依存は「その他の嗜癖行動による障害」とされていますが、

これもややこしいので、スマホ依存と表現します。


タバコだとニコチンパッチなど、依存している物質に対して、作用するようなくすりで

医学的に治療をおこなっていきます。

一方、ギャンブルやゲームなどは、依存している対象が物質ではありません。

「ハマりすぎている」という考えを修正する(認知の是正)が治療のメインになります。

その過程で、夜眠れない、などに対してはくすりも利用しますが

基本的にはスマホ・ゲーム依存に対しては、くすりではなく認知の是正が治療になります。


右側のイラストは、脳の機能についてになります。

もちろん、本来はもっと複雑ですが

前にある理性を司る前頭前野と、真ん中にある本能を司る辺縁系の、2つだけに絞ります。

大人は本能に対して理性が抑える形で機能しています。

シーソーで言うなら理性の方が勝っています。

ところが、依存状態では、この理性が負けてしまって、本能が勝ってしまいます。

そして、小さい頃は、依存状態と同じように、理性が負けることも多く

脳の中では、依存に近い状態となっています。

そのため、思春期のこどもは特に依存になりやすい、と言われています。


大人でも、理性が負けて、深酒してしまったり、食べすぎたりしてしまいます。

そういったことがダメと言われると僧侶のような生活を送るしかありません。

常識的なラインをこえるとダメ、ということが問題です。

深酒して翌日の約束をすっぽかした、食べ過ぎて気分が悪くなって出勤できなかった。

1回くらいなら、怒られたり詰められるだけで許されるかもしれません。

でも、毎週繰り返してしまう場合はどうでしょうか?

ちょっとダメだよね、となります。


・持続または反復して、SNSやゲームをしてしまう

・SNSやゲームをする衝動が止められない

・SNSやゲームを最優先し、問題がおきても続けてしまう

・個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる


といった点が、依存を診断・治療する時の大事なポイントになります。

医療側があまり言うべきセリフではないのかもしれませんが、

最初に書いた通り、根本的に解決するくすりはありません。

ご家庭などでの環境を整えることが、一番の治療になります。


アメリカでの電話の普及は数十年かかって50%に達したそうですが、

ケータイは5年で50%に達しました。

新しいモノの普及の速さに、ルールや規則作りが追い付いていない

背景もあり、簡単ではないかもしれません。

次は、ご家庭でとりくめる内容について、いくつかお伝えします。



家庭でとりくめること


とりくめることは色々ありますが、一番大事なのはルール決めだと思います。

American Academy of Pediatrics (AAP、アメリカの小児科学会)など

いくつかの資料をもとに、インターネット/ゲーム利用のルールについて

一例として提示します。



インターネット/ゲーム利用のルール案


  1. スマホやパソコンを使ってよい時間を決める

  2. 利用時間を交換可能財(○○したら60分、など)にする

  3. スマホやパソコンに加え、テレビや動画を見ない時間を決める

  4. 寝室にスマホやパソコンを持ち込まない

  5. インターネットの安全性について、こどもと話し合う

  6. 学びや創造性を育てるために、こどもが使うデバイスを選ぶ

  7. インターネット上での信頼する大人とのつながりを大事にする

  8. 毎日1時間は体を動かす、8時間以上睡眠をとる


こちらの総務省のHPもわかりやすいので参考にどうぞ。



それぞれにコメントしてしまうと長くなってしまうので、一部だけ触れます。

3つめの項目については、

家族で会話、遊ぶ、読書する時間をもつ、といったことにつながります。

7つめの項目については、

祖父母や先生など、現実世界でも信頼できる大人と、距離の壁をこえて

コミュニケーションがとれる良い面を実感してもらうことの他に、

必要時に安全に頼る先としての避難基地を設ける意味合いもあります。


理想的には、もう少し小さいころから、スマホなどに興味を持つ前に、

他のことにも興味を持ってもらうことが一番です。

こどもがインターネットを利用する時に、保護者が考えると良い3項目について

自分のスライドから引用します。



大人の都合は後回しで、こどもの安全が担保できるルール作りが必要です。

一緒に考えて、一緒に守る事も重要です。

正しく見守る方法として、ゲームの年齢制限などと同じように、

ペアレンタルコントロールで、適度にこどもを守りましょう。

ネットからこどもが離れている時間は、親や周囲と触れ合う大切な時間です。

勉強してもらう時間におきかえたい気持ちはわかりますが、

こどもが納得して耐えられる範囲をこえる部分は、周囲が関わる必要があります。


赤いジャケットが似合う泥棒が言っていました。

自由ってのも結構面倒なもんでよ。いつも自由でいるためには、

 やんなきゃなんねぇ、しんどいことだってあんだよ。

出展: ルパン三世 ワルサーP38 


自由に使うためには、守ったり、理解しなければいけないルールがある。

こどもに説明する時に、ここは大事なところだと個人的には思っています。



おわり と お願い


少し長めになりましたが、

記事を読んでいただいた方の

参考や助けになれば嬉しいです。


この記事の内容が含まれる資料を、

有料になりますが、準備しています。

ご興味がある方は、Dr モルト|note

をご覧ください。


今回のお酒  Martini

ジンとベルモットのショートカクテル




 
 
 

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